ペンションの朝食で作っていた、
ジャムから始まる物語。
実現のために、並走。
2016年からはちみつやジャム、バターの製造販売を行っている「びんのおのや」のリブランディング。はじめに依頼いただいたのは「バラとはちみつ」という製品単体のパッケージデザイン。しかし「びんのおのや」というブランドを強めるのであれば、パッケージの見え方を統一する必要があると考え、ブランド全体のリブランディングを提案。提案するだけではなく実現のために資金計画から並走し、補助金申請のサポートからプロジェクトがスタートした。ブライトでは、資金計画、コンセプト、スローガン、ステートメント、ロゴマーク、グラフィック、パッケージデザイン、印刷、コピーライティング、撮影、スタイリング他、リブランディングに関わるすべてを担当した。
事業のきっかけは、
ペンションの朝食。
無事に補助金が採択となり、リブランディングがスタート。びんのおのや高城さんのご実家は、かつて山形・山寺でペンションを営んでいらした。朝食には毎日手作りのジャムを提供していたそうで、それがきっかけでびんのおのやを立ち上げ、ジャムやはちみつの製造販売をスタートさせたという。このストーリーを聞いた私達は、この背景はブランドの軸になり得ると考えた。


変えるところと、
変えないところ。
「ブランドの中心には何を置くべきか?」何度も話し合った中で改めて浮かび上がったのは、びんのおのやが始まったきっかけである「ペンションの朝食」。びんのおのやの商品があることで、毎日の朝食がまるでペンションに泊まった日のように、ちょっと特別なものになるのではないかと考えた。ブランド全体のルールに「ペンションの朝食」を置き、スローガン「毎日に、特別な朝食を。」と、ステートメントを設定。そこからデザインの可能性を探っていった。一方で、これまで活用してきた「100% HAND WORK.」はタグラインとして継続。製造から販売まで一貫して手作業で行われていることを伝えるキーワードであると考え、従来のブランドの良い部分は残すことも大切にした。
シリーズ化と、
ブランドロゴ開発。
ブランドの新しいコンセプトに合わせて、商品ラインナップを整理。相談時点においては、果物の収穫時期や入荷する品種の数が様々で、ラインナップが非常に多いことが課題だった。そこで、売価や用途により2つのシリーズにすることを提案。「toシリーズ」は、主役であるパンにつけて食べることで、それらを引き立たせるようなジャムやバターのスタンダードシリーズ。それに対し「soシリーズ」は、はちみつなど商品自体が主役である、素材を素のまま味わうためのプレミアムシリーズ。商品ラインナップの分類がシンプルになるだけでなく、新商品を開発する際の基準にもなると考えた。そこから「toシリーズ」と「soシリーズ」の2つのシンボルと、それらを合わせた新しいロゴマークの開発も行った。
ブランドの顔となる、
キービジュアル開発。
びんのおのやの商品は、季節ごとに様々な味が生まれる上に商品ごとにラベルが異なるため、どの商品を見てもひと目でびんのおのやの商品であることを伝える必要があると考えた。そこで開発したのが「ペンションチェック」。びんのおのやの顔となり、全体を包括するキービジュアルとなった。


パッケージの図案も、
「100%HANDWORK.」のこだわり。
商品パッケージは、ひと目で種類がわかるように商品ごとラベルを作った。図案は、一つひとつ手作業で型を作り布を染色して作成。「100%HANDWORK.」を掲げるびんのおのやだからこそ、ラベルも手作業にこだわり、商品を手にした人に手仕事のあたたかさが伝わるよう心を込めた。
すべてにおいて、
「ペンションの朝食」をイメージ。
ビジュアル撮影と商品物撮りのディレクションも担当。すべてにおいて「ペンションの朝食」をルールに置き、ペンションに泊まった朝の、少しだけ特別な朝食をイメージし、世界観を作りながら撮影を行った。このルールを守りながら、その他の媒体物にも展開していった。
詳細
クライアント
社名/びんのおのや
地域/宮城県仙台市
期間/2022.04〜
ブライト
ブランディングディレクター・デザイナー・イラスト : 荒川敬 / コピーライター : 伊藤優果 / プロジェクトマネージャー: 荒川瞳
取材記事
それいけイチトニ編集室 / 1歩目、2歩目。前編
それいけイチトニ編集室 / 1歩目、2歩目。後編
リンク
その他

誰の暮らしの中にもある、 “間(ま)”を作る菓子屋。
菓子時間ムギ
店舗 資金計画 コンセプト ネーミング スローガン ステートメント コピー ロゴ パッケージ グラフィック 空間 サイン 施工 ウェブ 撮影 スタイリング 商標 ソーシャル 自社運営
自社で運営している飲食事業の店舗「焼菓子とごはん CAFE MUGI」。「菓子時間ムギ」へと店名も新たに、カフェから菓子店へのリブランディングを行った。2017年のオープン以降、マフィンとチーズケーキを中心とした焼菓子と、定食などのごはんを楽しめるカフェとして、店舗や仙台駅周辺での催事出店を中心に営業してきたが、高まる需要に対して菓子製造の生産能力を高める必要があり、店舗の大規模リニューアルと合わせて、お店の在り方やコンセプトを一から見直すリブランディングを行うこととなった。店舗スタッフとともに何度もミーティングを重ね、“お菓子の時間を大切に”というスローガンを策定。そこからネーミング、商標登録、ステートメント、ロゴマークへと展開していき、紙媒体、ウェブサイト、撮影、店舗サイン、ショップツールに至るまでのすべてを担当した。