本との出会いをテーマに、
八本松に開館した図書施設。
銀行跡地をリノベーションした、
民営図書施設。
宮城県民なら誰もが知っている七十七銀行。その役目を終えた支店跡地を、民間企業が運営する図書施設に生まれ変わらせるブランディングプロジェクト。2020年の夏頃にご相談いただき、2022年8月に開館した。施設の意匠設計は株式会社石森建築設計事務所、本のブックディレクションは日本出版販売株式会社が担当。ブライトでは、コンセプト・ネーミング・スローガン・ステートメント・ロゴマークとブランドの基礎設計部分から、紙媒体・WEBサイト・プロモーションムービー・施設サイン・什器制作とコミュニケーション部分のすべてを担当した。
本との出会いから自分自身の成長、
そして未来を考えるきっかけを。
本という媒体には、すごい力がある。歴史上の偉人や世界中の教授の思考を知ることができたり、古今東西の文学を通してあらゆる主人公の人生を体験することもできる。本には、開かなければ出会えない知識や話が詰まっていて、本を開くことで新しい知識に出会ったり、悩んでいたことが解決へ向かうこともある。「本を開くことで自分の本当の未来が開けていく」そのきっかけとなる施設になると考え、「本」と「本当」を掛け合わせスローガンを考案した。
地名をそのまま、
ネーミングに。
場所は仙台市太白区八本松。長年地域に寄り添った銀行の跡地に開館する図書施設だからこそ、この土地に根付き、地域の人々からも愛されるライブラリーなって欲しいという想いがあった。そこで、地名にある「八本 = 8BOOKs」というネーミングを提案。子供が学生に、学生が社会人に、大人の仕事の転機に。「様々な人のステップアップのきっかけになる」というこの施設の目的を、8BOOKsの小文字「s」とSENDAIの大文字「S」からなる「s S」の並びで表現。これには、一人ひとりがステップアップしていくという意味の他にも、そうした人々が増えていくことで、仙台の街自体もステップアップしていくように、という願いも込めている。
得られる8つの体験を、
ブックコンセプトに。
ブックディレクションは日本出版販売株式会社が担当。ラインナップを考えるにあたり、多くの書店では一般的である、文学作品、評論、エッセイ、思想のようなジャンル分けではなく、施設コンセプトに合わせてディレクションすることとした。8つの体験(キーワード)をコンセプトに、大小のカテゴリーを設けている。これには、本のジャンルではなく目的やメッセージから本を探すことで、意図していなかった本との出会いや新しい発見をして欲しいという想いがある。
「8」と「本」から自然に生まれた、
ロゴマーク。
本を開くことで、なりたい自分・理想の未来が見えてくる。その想いを真っ直ぐに表現したいという想いでデザインを考えた。白ヌキで輪郭が見えない8という数字の側面に、開いた本を配置することで、8の輪郭が見えてくるように設計。施設コンセプトと、「8」「本」の形状から自然と生まれた形をそのままロゴマークにした。
本が好きな方も。
そうでない方も。
8BOOKsは、公共の図書館ではなく民間が運営する図書施設。本が好きな方はもちろんだが、本を読むことが少し苦手な方もターゲットとしており、そのような方にも本を読む楽しみを知ってもらいたいという、少しお節介な図書施設を目指している。あくまでも公共空間ではなく、子供から大人まで誰でも楽しめることをデザインで表現するべく、ビジュアルをイラストで起こした。イラストは塩川いづみ氏に依頼し、様々な世代が本を開いて読む楽しさを表現した。
本を開く楽しみを
散りばめたデザイン展開。
施設案内のリーフレットから、8人のイラストの本型ショップカード、封筒や名刺のオフィシャル施設案内のリーフレットをはじめ、8人のイラストを配置した本型ショップカードやメンバーズカード、ブックマーク、封筒や名刺などのオフィシャルツールを制作。それにあたり、各媒体物の企画構成から原稿の取材・ライティング、印刷物の仕様・紙の提案から、全体の予算管理までを担当。本という媒体を扱う施設だからこそ、ショップカードには活版印刷を採用し、モンテルキアやハーフエアコットンなど手触りのある紙を選定するなど、紙と印刷の持つ表現を最大限に活かした。
二つの
プロモーションムービー。
施設の想いや本を取り巻くストーリーを表現するために、プロモーションムービーを制作。映像撮影と編集はRUDOLF incが担当、ブライトでは撮影ディレクションを担当した。施設コンセプトを表現したもので、はじめは本に興味がない一人の女性が、8BOOKsで本との出会いにより変化・成長する姿を一つの物語のように撮影したフルムービー「ほんとの未来編」と、様々な年齢・性別・職業の人が本を開く行動を切り取ったショートムービー「ひらく編」の二本を制作した。
ロゴマークの設計意図を、
立体として捉えサインで表現。
施設外部のロゴサインから施設内の誘導サインなど、全体のサイン計画及びデザインを担当。ロゴマークの設計意図をサインデザインにも活かし、立体として捉え展開した。背景の壁面と同系色の色味で天板を作り、側面は小口(本を開く側のこと)を見せ立体で表現。2つの丸の位置関係は、全てロゴマークと同じ位置関係で展開し、ブランドルールに合わせピクトもオリジナルで作成している。
8つのブックコンセプトに合わせて
制作したブックカテゴリー。
サインとブランドルールを統一した上で、本棚に設置する立体で自立型のブックカテゴリーを作成し、製造・設置までを担当。UV印刷で着色し、細かい文字まで表現。施設の意匠設計で使用されていたラワン材を使用することで、本棚の中でしっかりと目に入る存在感がありつつも、全体の意匠に馴染むようなデザインを心がけた。
ティザーサイトと
メディアサイト。
施設開館前から一定期間、プロモーションの一貫として活用したティザーサイト。現在は「8BOOKs MAGAZINE」としてのメディアサイトへリニューアルした。イベントやメディア配信を行い日々の更新をしている。
今後も印刷物やWEBサイトなど、ご依頼いただく事業課題に対してサポートしていきます。
詳細
クライアント
社名/ 株式会社アイクルール
地域/宮城県仙台市
期間/2020.08~
ブライト
ブランディングディレクター・デザイナー : 荒川敬 / デザイナー : 針生椋平 / コピーライター : 伊藤優果
ブライト以外の方々
意匠設計 : 株式会社石森建築設計事務所(石森史寛・牧野広英) / 施工 : 株式会社エコラ(百田和弘) / サイン製造・施工 : 株式会社トップアートセクション ・株式会社NT FAMIES HOME / 選書 : 日本出版販売株式会社(漆山哲夫・宮原悠・平木龍大・中澤佑) / 映像 : RUDOLF inc.(三浦誠) / スタイリスト : 髙橋麻美〈ほんとの未来編〉 ・ 八杜舎(廣田絵美)〈ひらく編〉 / イラスト : 塩川いづみ / ウェブデベロッパー : WANNA(松浦隆治)
メディア
リンク
その他
ペンションの朝食で作っていた、
ジャムから始まる物語。
びんのおのや
プロダクト 資金計画 コンセプト ネーミング スローガン ステートメント コピー ロゴ パッケージ グラフィック 撮影 スタイリング
2016年からはちみつやジャム、バターの製造販売を行っている「びんのおのや」のリブランディング。はじめに依頼いただいたのは「バラとはちみつ」という製品単体のパッケージデザイン。しかし「びんのおのや」というブランドを強めるのであれば、パッケージの見え方を統一する必要があると考え、ブランド全体のリブランディングを提案。提案するだけではなく実現のために資金計画から並走し、補助金申請のサポートからプロジェクトがスタートした。ブライトでは、資金計画、コンセプト、スローガン、ステートメント、ロゴマーク、グラフィック、パッケージデザイン、印刷、コピーライティング、撮影、スタイリング他、リブランディングに関わるすべてを担当した。